コラム

一戸建ての防水工事の費用はいくら?必要性・施工方法も徹底解説

防水工事
一戸建ての防水工事の費用はいくら?必要性・施工方法も徹底解説

一戸建てにとって、防水工事は住まいの寿命を延ばし、快適な暮らしを守るために欠かせないメンテナンスです。雨漏りや建物内部の劣化を防ぐためには、適切な工法の選定や信頼できる業者への依頼が重要になります。そこで本記事では、防水工事の必要性や箇所、種類、費用、業者選びについて詳しく解説します。

一戸建てに防水工事が必要な理由

一戸建てに防水工事が必要な理由

一戸建てに長く快適に住み続けるためには、「防水工事」が非常に重要です。防水工事を怠ると雨漏りや構造部分の劣化が進み、住まいの寿命や資産価値に大きな影響を与えるリスクが高くなります。ここでは、防水工事の必要性を3つの観点から解説します。

建物の寿命を延ばす

防水工事は、一戸建ての寿命を延ばすうえで欠かせない工事です。雨水が建物内部に浸入すると木材の腐食や鉄部のサビ、断熱材の劣化などが進行し、構造部分が弱ってしまいます

たとえば屋根や外壁のひび割れを放置すると、目に見えない場所からじわじわと水が入り込み、気づいたときには大がかりな修繕が必要になってしまうのです。

建物内部の劣化を未然に防ぎ、住宅を健全な状態に保つために防水工事が必要です。

雨漏りによる生活への被害を防ぐ

雨漏りから一戸建ての生活環境を守るためにも、防水工事が重要です。

雨漏りは、生活に直接的な損害を与えます

  • 天井や壁にシミができる
  • カビやダニを発生させる
  • 悪臭やアレルギーなどの健康被害を引き起こす
  • 家電や家具が水濡れで故障する
  • 畳や床材が腐食する

雨漏りによる被害は短期間で一気に広がりやすく、修繕や交換に高額な費用がかかります。定期的な防水工事によって雨漏りを防ぐことは、快適で安全な生活を維持するうえで欠かせません。

資産価値の低下を防ぐ

雨漏りや防水性能の低下を放置すると一戸建ての査定額が大きく下がり、売却時に希望価格で売れないリスクが高くなります

  • 雨漏りは「重大な瑕疵(欠陥)」として扱われる
  • 買主は雨漏り物件を敬遠しやすいため、売却までの期間が長引く

防水工事を定期的に行うことは、将来の売却や相続に備えて住宅の価値を守るためにも重要です。

一戸建ての防水工事が必要な箇所

一戸建ての防水工事が必要な箇所

雨や湿気から一戸建てを守るためには、必要な箇所に防水工事を行うことが必要です。防水性能が低下しやすい箇所を正しく把握し、適切な工事を施すことで、雨漏りや構造部分の劣化を未然に防げます

屋上・屋根

屋上と屋根は、一戸建ての中で雨風の影響を受けやすいため、防水工事の優先度が非常に高い箇所です。

  • 亀裂や割れが生じると雨水が浸入し、野地板や断熱材を傷めてしまう
  • 陸屋根の場合は水がたまりやすく、排水がうまくできないと漏水のリスクが高まる
  • 屋上・屋根からの雨漏りは気づきづらいため、被害が拡大しやすい

定期的な点検と適切な防水処理を行うことで、屋上・屋根の耐久性を維持し、建物全体を長持ちさせることができます。

バルコニー・ベランダ

一戸建てのバルコニーやベランダも、日常的に風雨や紫外線にさらされるため、防水工事が欠かせません

  • 床面の勾配や排水口に問題が生じると、雨水がたまって床下に染み込む
  • バルコニーからの雨漏りで、天井のシミやクロスの剥がれが起きる
  • ベランダの雨漏りを放置すると、階下の部屋まで被害が広がるリスクもある

防水層の劣化は見た目では分かりにくいため、専門業者による点検と定期的な補修が重要です。

外壁

外壁は外気と建物内部を隔てる役割を担っているため、一戸建ての防水工事の対象となる箇所です。

  • ひび割れやシーリング(コーキング)の劣化を放置すると雨水が侵入し、内部の断熱材や構造体にダメージを与える
  • サイディングやALCパネルの外壁では、つなぎ目の防水処理が不十分だと、漏水リスクが高まる

外壁塗装と同時に防水層を再施工することで、雨風や湿気から一戸建てを守ることができます。

基礎・床下

一戸建ての中で見落とされがちですが、基礎や床下の防水工事も非常に重要です。

  • 雨水や地下水が基礎部分に侵入すると、湿気が床下にこもる
  • カビの発生やシロアリ被害の原因となる
  • 防水塗料の塗布や透湿防水シートの施工などが有効である

基礎・床下の環境を清潔に保つことで、一戸建て全体の健康を守ることができます

一戸建ての防水工事の種類(工法)

一戸建ての防水工事の種類(工法)

一戸建ての防水工事には、住宅構造や施工箇所、予算などに応じて異なる工法が選択されます。それぞれの工法には特徴や適した施工箇所があり、正しく選ぶことで防水効果を発揮できます。

ウレタン防水

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布して膜を作り、柔軟性の高い防水工法です。

  • 一戸建ての防水工事で、一般的に採用される
  • 複雑な形状の場所でも、継ぎ目のない防水層を形成できる
  • ベランダやバルコニー、屋根の勾配部分など、凹凸の多い箇所にも対応できる
  • 既存の防水層の上から重ね塗りすることもできるため、部分補修にも向いている

ただし、職人の技術によって仕上がりに差が出るため、信頼できる業者に依頼することが重要です。

シート防水

シート防水は、あらかじめ工場で成形された防水シート(塩ビ系・ゴム系など)を現場に貼り付ける工法です。

  • 施工が比較的短期間で済み、仕上がりが均一になる
  • 平坦な屋上や陸屋根のような広い面積に向いている
  • シートのつなぎ目を熱や接着剤でしっかりと密着させ、高い防水性能を発揮する

ただし、複雑な形状や細かい隙間には不向きであるため、施工箇所の状態に応じて選定する必要があります。

FRP防水

FRP防水は、強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)を用いた非常に頑丈な防水工法です。

  • 耐久性・耐摩耗性に優れ、歩行頻度の高いベランダや屋上に適している
  • 住宅だけでなく、ビルやマンションにも採用できるほど強度が高い
  • 施工後は硬化して固い防水層になるため、重たい物を置いても傷つきにくい
  • メンテナンス頻度が少なくて済む

ただし、硬化後の弾力性が低いため、地震や建物の動きなどによってはひび割れが生じるリスクがある点には注意が必要です。

アスファルト防水

アスファルト防水は、加熱したアスファルトを使って何層にも重ねて施工する防水工法です。

  • 他の3工法よりも耐久性に優れている
  • 適切にメンテナンスを行えば、20年以上の耐用年数が期待できる
  • 歴史的に、ビルや公共施設に広く使われてきた実績がある
  • 一戸建てでも、広い屋上や屋根に適している

ただし、施工時に高温のアスファルトを使用するため、においや煙が発生しやすく、近隣への配慮が必要です。また、工期や費用が、他の工法に比べてやや高くなる傾向があります。

一戸建ての防水工事費用

一戸建ての防水工事の費用はいくら?必要性・施工方法も徹底解説

一戸建ての防水工事費用は、施工箇所や工法によって大きく異なります。事前に費用の相場や変動要因を理解しておくことで、適正価格で工事を依頼し、無駄な出費を削減できるのです。相見積もりのチェックポイントも確認しておきましょう。

工事費用の相場と内訳(工法別・施工箇所別)

防水工事の費用は、施工箇所によって異なります。

防水工法費用相場(1㎡当たりの単価)
ウレタン防水3,000〜7,000円程度
シート防水4,000〜8,000円程度
FRP防水6,000〜9,000円程度
アスファルト防水7,000〜10,000円程度

工法によっても、防水工事費用は変動します。

施工箇所費用相場(1㎡当たりの単価)
屋上・屋根5,000〜10,000円程度
バルコニー・ベランダ4,000〜8,000円程度
外壁3,000〜6,000円程度
基礎・床下2,000〜5,000円程度

防水工事費用の内訳には、材料費・人件費・施工費・足場代・養生費・下地処理費・諸経費などが含まれます。

工事費用の変動要因

防水工事費用は、施工面積や工法、下地の劣化、施工環境などの要因によっても変動します。

  • 施工面積 :広くなるほど費用は上がるが、単価は割安になる
  • 工法   :材料費や手間がかかるほど、合計金額は高い
  • 下地の劣化:下地処理の箇所が多いほど、費用は増額する
  • 施工環境 :勾配が急だったり、足場が必要になったりすると費用が高くなる

上記の変動要因を事前に把握しておくことで、見積もり時に不要なコストを省いたり、予算内に適した工法を選んだりしやすくなります。

相見積もりのチェックポイント

防水工事を依頼する際には、複数の業者から見積もりを取ること(相見積もり)が重要です。

単に「合計金額」だけを見るのではなく、工事費用の内訳を丁寧に比較しましょう。

  • 材料費と施工費が別々に記載されているか
  • 足場代や廃材処分費が含まれているか
  • 工事の内容や材料などの詳細が明記されているか
  • 施工保証やアフタフォローの内容が書かれているか

見積もりをしっかり比較することで、適正価格で納得のいく工事を依頼しやすくなります。

信頼できる防水工事業者の選び方

信頼できる防水工事業者の選び方

一戸建ての防水工事を成功させるには、技術力だけでなく信頼性の高い業者を選ぶことが重要です。業者選びを誤ると、施工不良や追加費用などのトラブルを招く恐れがあります。ここでは、後悔しない防水工事を行うために工事業者の選び方をご紹介します。

施工実績や保有資格を調査する

信頼できる工事業者を見極めるには、まず「施工実績」と「保有資格」を調査しましょう。

  • さまざまな住宅構造や劣化状況への対応経験があれば、適切な判断と施工ができる
  • 「建築施工管理技士」や「防水施工技能士」などの有資格者には、一定の技術力がある

公式サイトに豊富な施工実績や複数の保有資格を掲載している業者なら、信頼性が高いです。

口コミ・評判や第三者評価を比較する

過去の利用者による口コミ・評判や第三者機関による評価も、業者選びの重要な判断材料です。

  • 業者の公式サイトでは分からない「対応の丁寧さ」や「施工後の満足度」が分かる
  • Googleの口コミや比較サイト、SNSの評判など、複数の情報源を参考にする
  • 工事業者まとめサイトなどで高評価を得ている会社は、信頼性が高い傾向にある

複数の情報を総合的に分析することで、業者の実像を把握しやすくなります

見積書の内訳をチェックする

見積書に材料費・施工費・足場費・諸経費などの内訳が明記されていれば、後々のトラブルを回避しやすくなります

  • 工事費用の内訳を詳細に記載している業者は、コストの構成を正確に説明できる
  • 「一式」表記が多い見積書や相場から大きく離れた費用の場合は注意する

見積書は、業者の誠実さや信頼性を見極めるうえで非常に重要な書類です。「価格」だけでなく、「内容」にも目を向けましょう。

施工保証やアフターサポートを確認する

施工保証やアフターサポートが提供されるかも、信頼できる防水工事業者の条件です。

  • 防水工事後には、目に見えない下地部分でトラブルが発生する場合がある
  • 万が一トラブルが起きた際に、無償で補修してもらえると安心できる
  • 「5年保証」や「施工後の無料点検」などを提供している業者なら、信頼性がある

施工保証やアフターサポートの内容は、防水工事業者の責任感の表れといえます。契約書にサインする前に、具体的な内容が明記されているかを確認しましょう。

防水工事に関するよくある質問

防水工事に関するよくある質問

一戸建ての防水工事を検討する際には、「防水層の寿命」や「DIY」などに関する疑問を抱くものです。ここでは、防水工事前の不安や疑問を解消できるように、よくある質問に回答していきます。

防水層の寿命はどれくらいですか?(メンテナンスの頻度)

防水層の寿命は工法や施工環境によって異なりますが、一般的には10〜20年程度が目安です。

  • ウレタン防水  :10年程度
  • シート防水   :15年程度
  • FRP防水    :15年程度
  • アスファルト防水:20年程度

防水層が劣化するスピードは、紫外線や風雨、施工の精度などによって変わるため、5年ごとに専門業者による点検を受けることが必要です。定期的なメンテナンスで防水層の寿命を延ばせば、大きな修繕費用を防ぐことができます。

防水層の劣化を見分けられますか?

はい、以下のサインを見つけたら防水層が劣化している恐れがあります。

  • ひび割れ
  • 膨れ
  • 剥がれ
  • 黒ずんでいる
  • 水たまり(晴天時に乾燥しない)

見た目だけではなく、踏んだときに柔らかく感じる場合は、内部に水分が溜まっている恐れがあります。目視では判断できない内部の劣化もあるため、気になる症状を見つけたら専門業者に調査を依頼するのが安心です。

新築とリフォームでは異なりますか?

はい、新築とリフォームでは防水工事の目的や進め方が異なります

  • 新築:設計段階で防水施工を計画し、建築構造に適した工法を導入できる
  • リフォーム:既存の防水層の状態を調査し、「補修」や「再施工」を判断する

リフォームでは、下地の劣化状況によって工法が制限されますので、現地調査と適切な診断が不可欠です。

防水塗装工事との違いはありますか?

はい、防水工事と防水塗装工事は異なる施工方法で、目的や方法が違います

工事の種類目的方法
防水工事屋根・外壁などから建物内部へ水が浸入するのを防ぐウレタン・シート・FRP・アスファルト防水工法
防水塗装工事屋根・外壁などの表面の防水性を高めるシリコン・アクリル・ウレタン塗料など

ただし、ウレタン防水工法やシート防水工法では、防水層の施工後に表面を保護するためにトップコートを塗布します。施工箇所に適した工法を判断するためには、専門業者の調査と診断が欠かせません。

DIYでも対応できますか?

いいえ、原則として防水工事はプロに依頼するのが安心です。

  • 材料選びから下地処理、厚みの均一な塗布、仕上げ処理まで細かな工程が多い
  • 施工ミスがあると、十分な防水効果が得られない
  • 専門業者に任せたほうが、長期的なコストパフォーマンスが高い

市販の防水塗料を使ってDIYで対応することも可能ですが、応急処置程度と考えてください。

補助金・助成金や火災・地震保険を活用できますか?

はい、条件を満たす防水工事では、補助金・助成金や火災・地震保険を活用できます(※)。

  • 自治体によっては、屋根・外壁などの改修に対する補助金・助成金を支給している
  • 火災・地震保険の条件によっては、自然災害による屋根・外壁の損害が補償される

ただし、経年劣化や施工不良による損傷は火災・地震保険の対象外となるため、事前に契約内容や適用条件を保険会社に確認しておくことが大切です。

※参照元:埼玉県越谷市「令和7年度 越谷市住宅・店舗改修促進補助金(第1期)について」(https://www.city.koshigaya.saitama.jp/kurashi_shisei/kurashi/sumai/sien/kaisyusokusin2025-1.html

一戸建ての防水工事で美観と性能を維持しよう

一戸建ての防水工事は、雨漏りや建物内部の劣化を防ぎ、住まいの美観と機能性を長期間保つために欠かせません。適切なタイミングで信頼できる業者に依頼し、定期的な点検やメンテナンスを行うことで、大規模な修繕を防ぐことができます。快適で安心な暮らしを守るために、防水工事を計画しておきましょう。

Ti-PROOFでは、専門的な知識と豊富な実績をもとに、お客様の所有する建物に適した防水工事をご提案しています。

確かな品質と安心のアフターサービスで、建物の資産価値を守りますので、まずはお気軽にご相談ください。

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