外壁塗装のシリコン塗料とは?メリット・デメリット・種類・費用などを解説
外壁塗装に使われる塗料の中でも、シリコン塗料は価格と性能のバランスが良い塗料です。耐久性が高くメンテナンスの周期を延ばせる一方で、他の塗料と比べた際の注意点もあります。そこで本記事では、シリコン塗料の基本性能からメリット・デメリット、種類、費用相場まで分かりやすく解説します。
- 外壁塗装のシリコン塗料とは?
- 外壁塗装にシリコン塗料を選ぶメリット・デメリット
- シリコン塗料の種類と選び方
- シリコン塗料による外壁塗装費用
- 外壁塗装にシリコン塗料を選ぶ際の注意点
- シリコン塗料の外壁塗装を信頼できる業者に依頼しよう!
外壁塗装のシリコン塗料とは?

外壁塗装に広く使われるシリコン塗料とは、耐久性とコストのバランスに優れている塗料です。ここでは、シリコン塗料の基本性能と他の塗料(アクリル・ウレタン・フッ素)との違いを分かりやすく解説します。
基本的な性能
シリコン塗料の基本的な性能は、高い耐候性と防汚性です。一般的に耐用年数は10〜15年程度で、定期的なメンテナンスの負担を軽減できます。
- シリコン樹脂が紫外線や雨風に強い性質を持っているため、長持ちする
- カビや藻が付きにくいため、美観を保ちやすい
外壁をできるだけ長くきれいに保ちたい場合に、シリコン塗料は経済的で実用的な選択肢になります。性能と価格のバランスが良い外壁塗料です。
他の塗料(アクリル・ウレタン・フッ素)との違い
シリコン塗料は、アクリル塗料やウレタン塗料よりも耐久性が高く、フッ素よりも価格が安いという中間的な位置にある塗料です。
| 外壁塗料の種類 | 耐用年数の目安 | 特徴 | 1㎡当たりの単価 |
| アクリル塗料 | 5~7年程度 | カラーバリエーションが豊富である | 1,000~1,500円程度 |
| ウレタン塗料 | 7~10年程度 | 弾性が高く、ひび割れに強い | 1,500~2,000円程度 |
| シリコン塗料 | 10~15年程度 | 防汚性が高い | 2,000~3,000円程度 |
| フッ素塗料 | 15~20年程度 | 防汚性がとても高い | 4,000~5,000円程度 |
できるだけ費用を抑えたいが、頻繁な塗り替えは避けたい場合に、シリコン塗料が適しています。コストと耐久性のバランスが取れた外壁塗料です。
外壁塗装にシリコン塗料を選ぶメリット・デメリット

外壁塗装にシリコン塗料を選ぶ際には、耐久性や防汚性などのメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。ここでは、実際に選ぶ前に知っておくべきメリット・デメリットについて整理します。
メリット①耐久性とコストのバランスが取れている
シリコン塗料は、耐久性とコストのバランスが取れています。耐用年数が10〜15年程度と長めでありながら、フッ素塗料よりも価格が抑えられているからです。
- シリコン塗料の単価は、1㎡当たり2,000~3,000円程度である
- フッ素塗料の単価は、1㎡当たり4,000~5,000円程度である
例えば30坪程度の外壁を塗装するなら、シリコン塗料では60万〜90万円程度で済みますが、フッ素塗料では120万~150万円程度がかかります。アクリル塗料やウレタン塗料よりも耐久性が高いため、長期的に見て経済的な点がシリコン塗料の強みです。
メリット②耐汚性・美観に優れている
汚れに強く、きれいな外観を保ちやすい点も、シリコン塗料の大きなメリットです。塗膜表面がツルツルとしているため、雨水が付着したときに一緒に汚れを洗い流すセルフクリーニング効果が期待できます。
- 幹線道路沿いや湿気の多い地域では、カビや藻、排気ガスの汚れが付きやすい
- アクリル塗料やウレタン塗料よりも汚れが付着しにくいため、長期間にわたり外壁の美しさを維持できる
したがって、シリコン塗料は、メンテナンスコストを減らして見た目を綺麗に保ちたい場合に向いています。
デメリット①アクリル塗料・ウレタン塗料よりも高い
シリコン塗料には、アクリル塗料やウレタン塗料よりも初期費用がやや高いというデメリットがあります。長期的にはお得でも、短期的には費用が重く感じられるのです。
- アクリル塗料の単価は、1㎡当たり1,000~1,500円程度である
- ウレタン塗料の単価は、1㎡当たり1,500~2,000円程度である
- シリコン塗料の単価は、1㎡当たり2,000~3,000円程度である
例えば30坪程度の外壁を塗装するなら、アクリル塗料・ウレタン塗料では30万〜60万円程度で済みますが、シリコン塗料では60万~90万円程度がかかります。
デメリット②ひび割れ・剥がれが起きやすい
下地の処理や塗膜の施工が不十分だと、ひび割れや剥がれが起きやすい点も、シリコン塗料のデメリットです。
- 塗料の密着性は下地の状態に左右されやすい
- 適切な下地処理を行わないと、塗膜が浮いたり、ひび割れたりしやすくなる
- 古い外壁のひび割れを補修せずに上から塗装すると、せっかくのシリコン塗料が早期に劣化してしまう
シリコン塗料の性能は業者の施工技術に大きく依存するため、工事費用の安さだけで選ぶと失敗につながるリスクがあります。耐久性が高くても、適切な施工を行わなければ効果を発揮できないことを理解しておきましょう。
シリコン塗料の種類と選び方

外壁塗装に使われるシリコン塗料には、水性や油性、ラジカル制御型といった種類があります。それぞれ特徴が異なるため、外壁材の特徴や予算に合わせて適切に選ぶことが大切です。ここでは、シリコン塗料の種類の違いや選び方を分かりやすく解説します。
水性シリコン塗料と油性シリコン塗料の違い
扱いやすさやコスト削減を重視するなら水性シリコン塗料で、耐久性を重視するなら油性シリコン塗料が適しています。
| シリコン塗料の種類 | メリット | デメリット |
| 水性 | コストが油性よりも安い 揮発性の有機溶剤を含まずに施工できる (臭いが少なく環境や人体にやさしい) | 塗膜の密着具合が天候に左右されやすい 油性よりも耐久性や防水性に劣る |
| 油性 | 密着力が高い 水性よりも防水性や耐久性に優れている | 有機溶剤を含むため臭いが強い 環境負荷が大きい |
住宅街で近隣への臭いを配慮したい場合は水性シリコンが安心ですが、海沿いや湿気の多い地域で耐久性を重視する場合は油性シリコンが向いています。環境への配慮や快適性、性能などを総合的に検討することが重要です。
ラジカル制御型のシリコン塗料
ラジカル制御型のシリコン塗料は、従来型よりも耐久性の高い塗料です。
- 高耐候性酸化チタンや光安定剤などを含み、塗膜の劣化を引き起こすラジカル(酸化物質)の発生を抑える
- 従来型のシリコン塗料の耐用年数が8〜12年程度であるのに対し、ラジカル制御型は10~15年以上長持ちする
従来型よりも多少費用が上がっても、長寿命を求めるならラジカル制御型を検討しましょう。
外壁材に適したシリコン塗料の選び方
外壁の素材に合ったシリコン塗料を選ぶことで、塗膜が長持ちします。外壁材ごとに特徴が異なるため、相性の良い塗料を選ばないと本来の性能を発揮できないからです。
- モルタル:弾性の低いシリコン塗料ではひび割れに追従できない
- 窯業系サイディング:水性シリコン塗料で対応できる
- 金属系サイディング:錆止めのプライマーと遮熱性シリコン塗料で対応できる
以上のように素材ごとの特性を理解して塗料を選ぶことで、仕上がりの美しさや耐久性が大きく変わります。外壁材との相性を重視した選び方で、シリコン塗料の性能を活かすことができるのです。
シリコン塗料による外壁塗装費用

外壁塗装にシリコン塗料を選ぶ場合は、施工面積や下地の状態などによって塗装費用は変わります。ここでは、シリコン塗料の費用相場や他の塗料との違い、相見積もりのチェックポイントについて解説します。
費用相場(1㎡当たりの単価)
シリコン塗料による外壁塗装費用は、1㎡当たり2,000~3,000円程度が相場です。例えば100㎡の外壁には、20万~30万円程度がかかります。
- 塗装費用には塗料の本体価格だけでなく、足場代や下地処理費、工賃などが含まれる
- 施工面積が広がるほど、塗装費用は増える
同じシリコン塗料でも水性より油性、従来型よりもラジカル制御型のほうが高くなります。
他の塗料(アクリル・ウレタン・フッ素)との違い
シリコン塗料による塗装費用は、アクリル塗料・ウレタン塗料より高いが、フッ素塗料よりは安いです。塗料の本体価格と施工後の耐用年数が、外壁塗装費用に反映されています。
| 外壁塗料の種類 | 1㎡当たりの単価 | 100㎡の合計費用 | 耐用年数の目安 |
| アクリル塗料 | 1,000~1,500円程度 | 10万円~15万円程度 | 5~7年程度 |
| ウレタン塗料 | 1,500~2,000円程度 | 15万円~20万円程度 | 7~10年程度 |
| シリコン塗料 | 2,000~3,000円程度 | 20万円~30万円程度 | 10~15年程度 |
| フッ素塗料 | 4,000~5,000円程度 | 40万円~50万円程度 | 15~20年程度 |
シリコン塗料は他の塗料に比べると中価格帯に位置し、長期的に見てコストパフォーマンスの高い選択肢です。
相見積もりのチェックポイント
相見積もり(複数の業者から見積もりを取ること)のチェックポイントは、塗料のグレードや下地処理の内容、重ね塗りの回数、保証期間、アフターサービスなどです。
- 同じシリコン塗料を選択しても、業者によって足場代や下地補修費、施工後の保証内容などに差がある
- 見積り価格が安い業者でも、足場代や下地補修費が別料金として請求される場合がある
シリコン塗料による外壁塗装費用の適正価格を把握するには、相見積もりが大切です。見積書の内訳を比較し、納得できる内容の業者を選びましょう。
外壁塗装にシリコン塗料を選ぶ際の注意点

シリコン塗料はコストパフォーマンスに優れた人気の塗料ですが、施工後に性能を発揮するには注意点に気をつけることが大切です。ここでは、施工の時期や下地の処理、塗り方に関するポイントを解説します。
施工の時期
外壁塗装には、春や秋の安定した気候の時期が適しています。外壁塗料は気温5℃以下や湿度85%以上の環境では乾燥不良を起こしやすく、塗膜の耐久性が落ちてしまうからです。
- 真夏の猛暑日や梅雨の時期に施工すると、乾燥のムラや塗膜の剥がれが起きやすい
- 春(4〜6月)や秋(9〜11月)の気候が穏やかな時期に計画する
シリコン塗料の性能を十分に発揮するには、気候条件の良い時期を選ぶことが重要です。
下地の処理
下地処理を丁寧に行わなければ、どんな高性能塗料も長持ちしません。古い塗膜の劣化や外壁のひび割れを放置すると、塗料の密着性が悪化し、早期に塗膜が剥がれてしまうからです。
- 下地のひび割れを補修せずにシリコン塗料を塗っても、数年で塗膜が浮いたり、ひび割れが広がったりしてしまう
- 見積書に下地処理が含まれていない場合は、必ず確認する
外壁塗装では、塗料選びだけでなく、下地処理の丁寧さが寿命を大きく左右します。
塗り方(重ね塗りや塗膜の厚み)
外壁塗装では、3回の重ね塗り(下塗り・中塗り・上塗り)が基本で、塗膜の厚みを確保することが重要です。下塗りで外壁と塗料の密着性を高め、中塗りと上塗りで耐久性や美観が高まります。
- 費用を抑えるために中塗りと上塗りを1回で済ませると塗膜が薄くなり、耐用年数が短くなってしまう
- 塗料の種類によって、塗布の回数や乾燥時間が定められている
見積もり段階で重ね塗りの回数と塗膜の厚みを確認することが、シリコン塗料を長持ちさせるために重要です。
シリコン塗料の外壁塗装を信頼できる業者に依頼しよう!
シリコン塗料は価格と耐久性のバランスに優れているため、外壁塗装に広く使用されていますが、性能を発揮するには適切な施工が欠かせません。塗料の種類や施工方法、保証内容をきちんと説明してくれる信頼できる業者を選ぶことで、耐久性と美観を維持しやすくなります。
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