外壁が汚れる原因と洗浄方法!DIYの方法や業者への依頼についても解説


外壁は、日々の雨風や排気ガスにさらされて、汚れが蓄積しやすい箇所です。放置すると美観を損ねるだけでなく、建物の劣化にもつながります。そこで本記事では、外壁が汚れる原因から洗浄の必要性、方法、DIY、業者への依頼まで詳しく解説します。
外壁が汚れる原因

外壁洗浄を検討するうえで、まず理解しておきたいのが「なぜ外壁が汚れるのか」という点です。日常的な環境要因によって、外壁にはさまざまな種類の汚れが付着します。それぞれの原因を把握することで、適切な洗浄方法やタイミングを判断しやすくなります。
車の通行や排気ガス
車の多い通りに面した建物では、外壁が排気ガスや交通による粉塵で黒ずみやすくなります。
- 排気ガスのススや油分が空気中のホコリと混ざることで、頑固な黒ずみとなる
- 特に白やベージュなどの外壁では汚れが目立ち、見た目の印象を大きく損なう
交通量の多い立地では、定期的な外壁洗浄が見た目の維持に効果的です。
雨だれや水はね
雨だれによる外壁の汚れは、住宅地や郊外でもよく見られる現象です。屋根やサッシから落ちる雨水が外壁を伝い、汚れた筋となって残ることがあります。
- 雨水に混ざったホコリや大気中の汚染物質が原因となる
- 地面からの水はねでも、下部に泥汚れが広がることがある
雨だれや水はねは、美観を損ねるだけでなく、汚れがこびりつくことで外壁材を劣化させるリスクもあります。対策としては、軒や水切り板金の整備、定期的な洗浄などが有効です。
カビ・コケ・藻などの繁殖
湿気が多い場所や日当たりが悪い面の外壁には、カビやコケ、藻が発生しやすくなります。
- 外壁の表面に水分が長時間残ることで繁殖し、緑や黒のシミのような汚れになる
- 特に、梅雨時期や冬の結露が多い時期は繁殖しやすい
菌類の繁殖は見た目が悪くなるだけでなく、健康面でも不安を感じます。放置せずに、早めの洗浄と防カビ対策が大切です。
砂ぼこり・黄砂・花粉などの微粒子
外壁の汚れの中でも意外と厄介なのが、風に乗って運ばれる砂ぼこりや黄砂、花粉などの微粒子です。
- 乾燥した日や春先に多く飛来し、外壁の表面にうっすらと積もるように付着する
- 特に凹凸のある外壁では溜まりやすく、一度濡れると泥のようにこびりつく
砂ぼこり・黄砂・花粉などに対しては、洗濯物だけではなく外壁にも対策が必要です。
塗膜の経年劣化
外壁が汚れて見える原因には、塗膜自体の劣化も関係しています。
- チョーキング現象(白い粉が付く状態)
- ひび割れ(クラック)
- 塗膜の剥がれ・浮き・色あせ・変色
- 鉄部のサビ
塗膜が経年劣化すると汚れが付着しやすく、見た目が一気に古びた印象になります。洗浄だけでは解決できないため、塗り替え時期の見極めも重要です。
外壁洗浄の必要性

外壁洗浄は、単に見た目をきれいにするだけではなく、建物を長く安全に使うために欠かせないメンテナンスです。外壁の状態を良好に保ち、トラブル予防やコスト削減にもつながるなど、さまざまなメリットがあります。ここでは、「なぜ外壁洗浄が必要なのか」について具体的に解説します。
外観を美しく衛生的に保てる
外壁洗浄を行うことで、建物の外観を美しく保つことができます。
排気ガスや雨だれによる黒ずみ、カビや藻などの汚れは、時間が経つほど目立ちやすくなり、建物全体の印象を損ないます。特に店舗や集合住宅などでは、外観の清潔感が訪問者や入居希望者に与える印象に大きく関わります。
また、微生物の除去により衛生状態の向上にもつながるため、定期的な洗浄は非常に効果的です。
建物の劣化を予防して寿命を延ばせる
外壁に付着した汚れを放置すると、外壁材や構造体に悪影響を与えてしまいます。
- カビや藻が外壁材の内部に根を張ると、劣化のスピードを早める
- 雨水と一緒に汚れが染み込むことで、ひび割れや浮きが発生する
- 劣化が進行するほど、修繕費用が高額になってしまう
早めの洗浄が建物の寿命を延ばし、メンテナンス費用の抑制につながるのです。
塗装の密着性が向上して仕上がりが良くなる
外壁塗装を検討している場合、事前の洗浄作業は欠かせません。なぜなら、外壁に汚れや古い塗膜の粉が残ったまま塗装をすると、塗料がしっかり密着せず、早期の剥がれやムラが発生する原因になるためです。
- 高圧洗浄やバイオ洗浄で下地を整えることで、塗料が均一に乗る
- 美しく長持ちする仕上がりが実現する
工事業者でも、外壁塗装前の標準工程として洗浄を実施しています。
劣化状況が明確になって早期に対応できる
洗浄を行うことで、汚れに隠れていた外壁の劣化が見えやすくなります。
外壁洗浄後には、雨だれの跡に隠れていたひび割れや藻の下に潜んでいた剥がれなどが発見できることがあります。劣化を早期に把握すれば、補修や塗装のタイミングを適切に見極めることができ、結果的に大がかりな工事を避けられます。
したがって、外壁の「健康診断」としても、洗浄は重要な役割を果たすのです。
外壁洗浄の方法と特徴

外壁洗浄にはいくつかの方法があり、それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。外壁の汚れ具合や材質に応じて適切な洗浄法を使い分けることで、外壁へのダメージを避けながら汚れをしっかりと落とすことができます。ここでは、代表的な外壁洗浄の方法と特徴を紹介します。
高圧洗浄
外壁洗浄と聞いて最も一般的にイメージされる方法が、高圧洗浄です。高い圧力で水を噴射して、外壁に付着した汚れやカビ、ホコリなどを一気に洗い流します。
- 手間をかけずに、広範囲を短時間で洗浄できる
- コストパフォーマンスにも優れている
- 外壁材が劣化していると、水圧で破損するおそれがある
高圧洗浄は、外壁塗装前の下地処理としてもよく使われます。劣化状態の事前確認が重要です。
バイオ洗浄
カビやコケなどの微生物による汚れに対して効果的な方法が、バイオ洗浄です。専用の洗剤を使って、微生物を分解・除去します。
- 高圧洗浄では落としきれない根本的な汚れにも対応できる
- 微生物の繁殖を抑える効果もあるため、美観を長く保ちたい場合におすすめである
- 薬剤を使用するため、高圧洗浄よりもコストが高くなる
特に、北側や湿気が多い場所ではコケが深く根を張ることがあり、水だけでは再発防止が難しいことがあります。
手洗い(スポンジ・ブラシ・布)
外壁の一部だけを洗いたいときや繊細な外壁材を洗浄する際は、手作業による洗浄が有効です。スポンジやブラシ、柔らかい布などを使って汚れを丁寧に落とします。
- 圧力をかけすぎる心配がないため、ひび割れのある外壁にも適している
- 手間と時間がかかるため、広範囲の洗浄には向かない
手洗いは、部分的な汚れの洗浄やDIYによる対応などに向いています。
外壁材の種類による違い(サイディング・モルタル・タイルなど)
施工されている外壁材によって、適した洗浄方法は異なります。
- サイディング:比較的水に強いため、高圧洗浄がよく使われる
- モルタル外壁:表面がデリケートなため、水圧が強すぎると欠けやすい
- タイル外壁 :高圧洗浄とバイオ洗浄の併用が効果的である
素材に合わせて洗浄方法を選ぶことが、外壁を長持ちさせるコツです。目地の状態も見極める必要があります。外壁工事に使用するサイディングについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
外壁洗浄は自分でできるか?

はい、外壁洗浄には業者に頼むイメージがありますが、軽度の汚れであれば自分で行うことも可能です。自宅の外壁を自分の手で清潔に保ちたい方に向けて、DIYによる外壁洗浄の流れや必要な道具、注意点について分かりやすく解説します。
DIYの流れ
DIYで外壁洗浄を行う際は、準備から洗浄、仕上げまでの流れで進めてください。
- 準備 :周囲に飛び散る水や洗剤に備えて、窓や電気設備などをシートで保護する
- 洗浄 :洗剤・ブラシ・高圧洗浄機などで、汚れを洗い流す
- 片付け:保護していたシートを外し、水の飛散や排水の流れを確認する
以上の流れを把握しておけば、手間を抑えながら効果的に外壁を洗浄できます。外壁の状態に応じて、柔軟に対応することが大切です。
DIYに必要な道具
外壁洗浄をDIYで行うには、以下のような道具が必要です。
- 家庭用の高圧洗浄機
- 長柄のブラシ
- バケツ
- 外壁用洗剤
- 防水手袋
- ゴーグル
- 脚立や足場
高圧洗浄機は、ホームセンターやECサイトなどで1万円前後で購入でき、手軽に洗浄できます。また、高所作業の際は転倒や転落を防ぐため、足元の安定も重要です。作業前に必要な道具を揃えておくことで、スムーズに進められます。
DIYの注意点
外壁洗浄をDIYで行う際の注意点は、安全性の確保や近隣への配慮などです。
- 脚立を使用する際は無理な姿勢を避け、風の強い日には作業を控える
- 高すぎる水圧で洗浄すると塗膜を剥がしたり、外壁材を傷つけたりしてしまう
- 環境に配慮して、適切に排水を処理する
- 近隣住宅や通行人への飛散を避けるため、作業時間帯にも気を配る
少しでも不安があれば、無理をせず業者への依頼を検討しましょう。
外壁洗浄を業者に依頼したほうが良いか?

はい、外壁洗浄のDIYも可能ですが、外壁の劣化や汚れの程度によっては業者に依頼するほうが安全で確実です。ここでは、プロに依頼するメリット・デメリットや費用の単価と内訳、信頼できる業者の選び方について詳しく解説します。
プロに依頼するメリット
外壁洗浄をプロの工事業者に任せるメリットは、仕上がりの質が高く、効率的で安全に作業してもらえることです。
- 劣化や汚れの程度に応じて、適した洗浄方法を選べる
- 高圧洗浄やバイオ洗浄を使い分ける技術がある
- 高所作業に専用の足場や装備で対応できるため、DIYよりも安全である
時間と手間をかけずに外壁を美しく仕上げられることが、業者に洗浄を依頼する大きな魅力です。
プロに依頼するデメリット
一方で、業者に依頼するデメリットとしては、DIYよりも費用がかかる点が挙げられます。
- 外壁の面積や洗浄の方法などによっては数万円以上になり、家計に負担がかかる
- 対応が不十分だったり、必要以上の作業を提案したりする業者も存在する
金額だけでなく、作業の内容や保証の有無も含めて比較検討することが大切です。業者選びを慎重に行う必要があります。
費用の単価と内訳
外壁洗浄費用の単価は、建物の広さや洗浄方法によって異なりますが、1㎡あたり100~800円程度です。100㎡の外壁なら、1万~8万円程度がかかります。
- 高圧洗浄 :1㎡あたり100~500円程度
- バイオ洗浄:1㎡あたり500~800円程度
外壁洗浄費用の内訳には、足場代や洗浄作業費、薬剤費、交通費などが含まれます。見積もり時には、「単価や内訳が明記されているか」を確認すると安心です。
信頼できる業者の選び方
外壁洗浄を依頼する際は、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。複数の業者から見積もりを取り、提案内容や費用などを比較しましょう。
- 口コミの評判が良いか
- 過去の施工事例を掲載しているか
- 接客対応が丁寧で親切か
- 作業内容や施工保証について明確に提示しているか
納得できるまで検討したうえで信頼関係を築ける業者を選ぶことで、満足のいく外壁洗浄の仕上がりを実現できます。
外壁洗浄に関するよくある質問

外壁洗浄を検討する際には、頻度や洗浄方法、塗装との関係など、さまざまな疑問が出てくるものです。ここでは、外壁洗浄に関して多くの人が抱きがちな質問に対して、分かりやすく丁寧に回答していきます。正しい知識を得ることで、無駄なく適切に対応しましょう。
頻度とタイミングはどれくらいですか?
一般的に、外壁洗浄の頻度は3~5年に1回程度です。
- 汚れが目立ち始め、塗装の劣化が進行する前に対処する
- 汚れやすい環境の外壁(※)には、3年に1回程度の洗浄が推奨される
※道路沿いや湿気の多い地域、北側の外壁など
建物の立地や外壁材の劣化状態を見ながら、適切なタイミングを見極めることが大切です。
洗浄だけでもきれいになりますか?
はい、軽度の汚れや表面の黒ずみであれば、外壁洗浄だけでも十分にきれいになります。
- 高圧洗浄とバイオ洗浄で、ホコリやカビ・藻などの汚れを効果的に除去できる
- 塗膜の色あせやひび割れといった構造的な問題には、洗浄だけで対応できない
洗浄後に外壁の劣化状態をチェックし、必要に応じて補修や塗装を検討することが重要です。
塗装とセットで依頼すべきですか?
はい、外壁塗装を検討している場合は洗浄とセットで依頼するのが一般的です。
- 塗装前に洗浄することで塗料の密着性が高まり、美しさと耐久性が向上する
- 一般的な外壁塗装では、高圧洗浄が下地処理として標準工程に含まれる
洗浄を省略すると、塗料がムラになったり、早期に剥がれるリスクが高まります。外壁の洗浄と塗装をセットで行うことが、施工の質を保つために欠かせません。
汚れを予防する方法はありますか?
はい、完全に汚れを防ぐことは難しいですが、次のような方法で外壁の汚れを軽減できます。
- 撥水性や防カビ性のある塗料を使用する
- 軒やひさしを設置して雨水の伝い汚れを防ぐ
- 定期的に軽く水洗いする
- 植栽が外壁に接触しないようにして、カビや藻の発生を抑える
以上のような日常的な予防策で、外壁洗浄の頻度やコストを抑えることができます。
集合住宅や賃貸物件でも依頼できますか?
はい、集合住宅や賃貸物件でも外壁洗浄を業者に依頼できます。ただし、共有部分の外壁洗浄には、管理会社やオーナーの許可が必要です。
- 大規模修繕工事の一環として、外壁洗浄が行われる
- 賃貸住宅では、入居者ではなく、物件の所有者や管理会社が依頼する
事前に許可を取ることで、事後のトラブルを防ぐことができます。
外壁洗浄を信頼できる業者に依頼しよう!
外壁の汚れは見た目だけでなく、建物の寿命にも影響を与えます。自分で対応できる範囲もありますが、安全性や仕上がりを考えると専門業者に依頼するほうが安心です。信頼できる業者に相談し、適切なタイミングで外壁を洗浄することで、住まいの美観と耐久性をしっかりと守りましょう。
Ti-PROOFでは、専門的な知識と豊富な実績をもとに、お客様の所有する建物に適した外壁工事をご提案しています。
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